[8.8インチ]Lenovo Legion Tabレビュー
8インチ台のタブレットを探しており、iPad miniとさんざん悩んだ挙句、LenovoのLegion Tab (8.8”, 3) を購入しました。
iPadに比べてLegion Tabの情報は手に入りづらいため、レビューを兼ねて情報提供したいと思います。
1.なぜiPad miniではなくLegion Tabにしたのか
決定打となったのはディスプレイでした。
iPad miniはリフレッシュレートが60Hzで、第6世代モデルではゼリースクロールについての指摘がなされています。
第7世代モデルでは、ゼリースクロールについて大幅な改善が見られたとのレビューが多いですが、一部で完全に解消したわけではないとか、60Hzがゆえのカクツキが気になるとのレビューが散見されます。
一方のLegion Tabはリフレッシュレートが165Hzでヌルヌル動く、とのレビューが大半です。
これだけ見ればLegion Tabの圧勝なのですが、悩ましい要素が他に3つありました。
その1:ディスプレイの縦横比
ディスプレイサイズの縦横比ですが、iPad miniは3:2、Legion Tabは:16:10で、個人的にはiPad miniの3:2が好みでした。
その2:OSのアップデート期間
OSのサポート期限についても、iPad OSについては新機能の更新が停止した後にもセキュリティアップデートがある程度期待できますが、Legion Tabは3回のOSアップデートにとどまります。
Legion Tabは2025年1月に発売され、出荷時のOSはAndroid14です。
その2ヶ月後の3月にAndroid15へのアップグレードが始まりましたので、利用できるアップグレードは実質2回です。
その3:重量
極めつけは重量で、iPad miniの方がLegion Tabより50g軽いため、持ち運びやベッドサイドの利用により向いているように思います。
以上のようにネガティブな要素はLegion Tabの方が圧倒的に多い状況でした。
ただ、以前初代iPad pro(12.9インチ)を購入した際、残像があまりに気になったため、今回Legion Tabを購入するに至りました。
2.Legion Tab外観
フルメタルデザインは高級感があります。

元々の重量が350グラムあるので、モノによりますが、背面保護カバーをつけるとかなり重くなる可能性があります。
ただでさえiPad miniより50g重いので、今回は背面カバーの使用は避けて、背面保護フィルムを使うことにしました。
ただ、背面のLegionロゴ部分に凹凸があること、シリアルナンバーなどを記載した半透明シールが貼られていることから、背面保護フィルムを貼ったら空気が入ったり凸凹が出来たりします。

背面を見ることはほぼ無いので気にしませんが、気になる方は何もつけないか、重くなる覚悟でケースをつけるしか無いと思います。
3.初期設定
ネット上には初期インストールアプリが多いというレビューと、少ないというレビューが半々ですが、実際には多いと思います。
実際にインストールされているものに加えて、初回セットアップ時にLenovoオススメアプリなるもののインストール画面が出てきて、大量のアプリを紹介されます。
Lenovo純正アプリというわけではなく、ゲームからオフィスアプリまで様々なアプリのアイコンが表示され、インストールしたいにチェックを入れる形になります。
画面を切り替えるたび、いずれかのアプリにチェックが入っているため、外しながら先に進むのが面倒でした。
とはいえ、一回のみですので、全てチェックを外せばよいだけです。
実際に使ってみて思ったのは、サイトによって縦置きと横置きで文字の大きさが全然違うということです。
横置きで使う際には全く気になりませんが、縦置きで使うとサイトによって文字が小さくなります。
Yahoo!ニュースのように[各種サービスへのリンク][記事一覧][広告・メニュー]と横方向に複数のコンテンツがある場合、全ての情報が表示されるため文字が小さくなりがちです。
以下、何枚か写真を載せますが、著作権の関係でモザイクだらけになっております。


[設定]→[ディスプレイ]→[表示サイトとテキスト]で表示サイズを変えることが出来るため、縦置きでちょうどよいサイズにすることは可能です。

そうすると、今度は横置きにした時に左右に表示されないエリアが出来ます。


Androidの設定で全てを解決するのはなかなか難しそうです。
私の解決策は、上記表示サイズは縦置きと横置きで不具合が出ないレベルまで上げて、縦置き時のみUC Browserを使う、というものです。
どう設定したか覚えていませんが、UCブラウザ内の設定を変更することで、縦置きしても見やすい画面サイズ(文字サイズ)にすることが出来ました。
この設定で横置きにすると、上記の通り左右に表示されないエリアが出来ますが、縦置き専用で使うので問題ありません。
初期設定で苦労したのはこの文字の大きさだけで、それ以外はスムーズに設定できました。
4.総評
[画質]
色味が鮮やかなのか、始めてみたとき「綺麗!」と思う反面、少し目が疲れる感じがしました。
私の場合、明るさを少し落として快適に使える感じです。
[音質]
音質に関しては、普通〜やや良いレベルだと思います。
スピーカーが2基なので、クアッドスピーカーを搭載したGalaxy Tab S9+に比べると音の雰囲気は全然違いますが、聞いていてストレスを感じるレベルの音ではありません。
このモデルに限った話ではありませんが、スマホやタブレットに使えるスピーカーには限界がありますので、音質を求めるのであれば外部スピーカーの導入を検討してもよいかと思います。
[パフォーマンス]
ゲームをしないので完全なオーバースペックではありますが、何をしてもサクサク動いてくれるのでとても良いです。
画面のスクロールも引っかかり感などなく、快適に使えています。
[総評]
Legion Tabを触ってみた感想をまとめてみたいと思います。
◯大きすぎず小さすぎず、片手で持つのにギリギリちょうどよい重さ
◯ショルダーバッグなどに入れて持ち運ぶことも可能
◯高リフレッシュレート対応、必要に応じて設定変更可能
◯サクサク動くハイスペック機
◯最新のAndroidが使用可能(Android17まで更新予定)
◯充電が凄く早い
◯電池持ちが比較的良い
◯画質・音質は標準以上
◯スペックの割にはお手頃価格(決して安いわけではないが…)
◯メモリが16GB、ストレージが256GB
△縦置き・横置き共通のベストなディスプレイ設定を見つけるのが難しい
△出荷時OSがAndroid14(発売2ヶ月後にAndroid15リリース、OSアップグレードは3回まで)
×microsdスロットなし
×モノにもよるが、ケースをつけるとかなり重い(と思われる)
×サードパーティが背面フィルムを出しているが、凹凸部分が不格好
ネガティブな要素については無理やり出した感が否めませんが、それくらい個人的には満足しています。
8インチタブレット市場は活況とは言い難く、特にAndroidについてはメジャーメーカーにおいても、Android14〜15を搭載したものは極めて少ないと思います。
Amazon.com等を中心に中国の企業のAndroid14〜15がプリインストールされたタブレットは多数あるものの、性能や製造メーカーに対する信頼性については未知数であるように思います。
Lenovoも中国メーカーではありますが、数ある中国メーカーの中では信頼性が高いメーカーであると思いますし、日本においてはNECのPC製造部門は実質的にLenovo傘下であるため、サポート品質やサポートに要する期間については若干心配な点はあるかもしれませんが、購入において障害になる要素はないと思います。
余談ですが、東芝のDynabookも台湾の鴻海グループ傘下のシャープの完全子会社になりましたし、富士通のPC部門もLenovo傘下です。
日本メーカーの製品も製造が中国の製品は多いですので、信頼性については製造メーカー・販売メーカーごとに評価すべきではないでしょうか。
以上、Legion Tabのレビューをお届けしました。
バッテリーをはじめとして、長期的に見ると色々あるかもしれませんが、それは後日記事にてお届けしたいと思います。
当機はiPad miniのライバルという位置づけだと思いますが、AppleにおけるiPad miniの位置づけを考えると、Legion Tabを選択する意味は一定数あると思います。
購入を検討していらっしゃる皆様の参考になりますように。