くまの湯

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Orbiトライバンド ホームWiFiシステム

部屋によってネットの入りが良かったり悪かったりしたため、思い切ってメッシュWi-Fiを使ってみることにしました。

いろいろな機種はありますが、今回は発売後一定の時間が経っており、レビュー数もそこそこあるNETGEAR社のOrbiを試してみました。

 

 

NETGEAR Orbiトライバンド・ホームWiFiシステム スターターキット(Orbiルーター + Orbiサテライトバンドル)802.11ac RBK50-100JPS

 

ここから先は3部構成でレビューしていきたいと思います。

第一部は総評で、第二部はトラブルシューティングです。

三部は雑談的な内容で、高速インターネットが使えない地域のお住いの方に、光インターネットの代替となるサービスを提案する内容となります。

Orbiのレビューが見たい方は第一部を、Orbiの設定がうまくいかない方は第二部を、ブロードバンドが使えなくて困っていらっしゃる方は第三部をご覧ください。

 

第一部:総評

Orbiを導入することによって、家中隅々までチェックをした訳ではありませんが、どの部屋でもほぼほぼ安定してWi-Fiが使えるようになりました。

AndroidタブレットWifi Analyzerを起動させて家中を歩き回ってみた結果、親機か子機の一方かあるいは両方のWi-Fiが、どの部屋でも必要十分な電波強度であることが解りました。

メッシュWi-Fiのいいところは、親機のカバーエリアから子機のカバーエリアに入ると

き、あるいはその逆でも、ネットが途切れることがないという点です。

SSIDもパスワードも一つだけで、Orbiで設定されているものを使うことになります。

(他のルーター同様、本体にSSIDとパスワードの書かれたシールがついていますので、それを使ってネットに繋ぐことになります。他のルーターの下にOrbiをつける場合でも、原則OrbiのSSIDとパスワードを使用します。我が家の場合、少々特殊なネット環境にあるため、Orbi独自のSSIDとパスワードを使うことができることが重要であり、購入前に若干不安だった点でした。)

また、Wifi Analyzerを使うと、最大4つのOrbiネットワークが検出されて、最初は不思議に思っていましたが、親機と子機それぞれが2.4Ghz帯と5Ghz帯を持っているので、4つのネットワークが検出されても不思議はありませんね。

NETGEAR純正ツールを使って調べたところ、無線は基本5Ghz帯に繋がっているようでした。

5Ghz帯は障害物に弱いので、親機と子機のない部屋では若干不利な気もしますが…22.4Ghzで繋いでいるという表示が出たことがないのですが、状況によって切り替わるものでしょうか??

現在の所、基本的には安定して使えていますが、まだ購入後1週間も経過していませんので、安定性についてはもう少し検証が必要かと思います。

後日再度安定性に関するレビューを出したいと思います。

 ちなみに、製品の寸法をみてもらうと解りますが、結構大きいので、その点はご覚悟を。

小さいサイズが良ければ、TP-LinkのDeco M5やGoogle Wifiなども良いかもしれません。

 

最後にまとめです。

[この製品が向いている人]

Wi-Fiを使いたい部屋が複数あり、部屋(あるいは場所)によって電波が届きにくいところがある。

・部屋によってSSIDが変わるのは面倒で嫌。(エクステンダーの使用に向いていない人)

・ある程度の出費は致し方ないと考えられる人。

 

[この製品が向いていない人]

ワンルームにお住まいの方。(そもそもメッシュルーターを使う必要はありません)

・できる限り出費を抑えたい方。(他社製品にもっと安いものはあります。サポートなど、トータルに考えれば、この製品もありかとは思いますが。)

 

第二部:トラブルシューティング

初期設定をする際に以下のようなトラブルが起こりました。

・同期がなかなか終わらない

・同期中LEDライトの色がどんどん変わって安定しない

・一度電源を切ったら同期が成功しなくなった

・本体のリセットを試したところ、再設定がうまくいかない。

 

この問題を解決するには、まずは原因の切り分けが必要です。

原因1:設置場所の問題

『親機と子機の間は何メートルまでOK』といったような基準はありません。

親機と子機の間の障害のレベルによって(壁や電波に干渉する機器の有無など)設置可能場所は限られてきます。

設定がうまくいかないのが設置場所の問題なのか、それとも本体に問題があるかを切り分けるため、親機と子機を同じ部屋に置いて設定してみることをお勧めします。

 

原因2:設定の問題

工場出荷時にはルーターモードで設定されています。

ルーターの下につなげるような場合、本体の管理画面からAPモードに変更する必要があります。(取りあえず初期設定を進め、ブラウザから管理画面に入り、高度な設定からモードを変える)

上記のようにルーターの下にぶら下げるのに、ルーターモードにしてしまうと、回線が不安定になります。

我が家の場合もこれでした。

[モバイルWi-Fi]→無線→[Atermルーターの中継機能]→有線→[Orbi]

という特殊な設定故に発生した問題です。

通常の環境であれば、終端装置からOrbiに直差しでOKです。

 

原因3:電波干渉

複数のルーターなどを設置しており、電波干渉が起こっているなら、不必要なものを取り除きましょう。

我が家の場合、特殊な環境故、3つの回線を使用しており、それぞれを無線化しているため、電波干渉がかなり起きやすい状況です。

ただ、このような状況は普通であれば発生しません。(何せ、FTTHが実現されていない数少ない場所に住んでいるため、あれやこれややってなんとか快適な環境を構成しています)

 

原因4:接続機器が多すぎる

環境によりけりですが、装置によって接続できる台数には限りがあります。

我が家の回線の大本はPocket Wifiで、最大接続台数が14台ですが、10台を超えたあたりから接続しようとしてもはじかれたりします。

これをAtermを使って有線化したり、TP-Linkのエクステンダーを使って拡張したりしているのですが、実感としてはそれによって接続可能台数が増えるということはなさそうです。

 

原因5:手動で初期化している

設定がうまくいかず、本体リセットで初期化をした場合、初回セットアップで設定したIDとパスワードを入力しても設定が進まない場合があります。

その場合はブラウザ上でNETGEARへのログインを一旦スキップして、他の設定を進めることによって問題を解消できる場合があります。

 

第三部:ネット環境が整っていない方向け雑談

未だにADSLが現役の地域があります。

私が住んでいる場所なんですが(笑)

今まで光ファイバーを使っていたため、引っ越しを機に最速のインターネットがADSLになった時のショックはそれはそれは大きなものでした。

特に我が家にはネットワークに接続することで真価を発揮する機器が大量にあるため、引越し先でブロードバンドが使えなくなったことがわかった瞬間に絶望しました。

現在住んでいるアパートにはケーブルテレビの機材が入っていないため、ケーブルも使うことができません。(とはいえ、ベストエフォートで50Mということで、実測では恐らく数メガしかでないでしょうから、あまり変わりないかもしれませんが)

エリア的にWiMAXも使うことができず、ようやく開通したADSLも不安定な状態(端末からカチカチ音がしてしょっちゅう切れる)で文字通りお手上げ状態でした(^^;

ADSLに関して言えば、不安定になった場合の対応は大別して2つです。

一つはプロバイダーに依頼して回線を調整してもらうというもの。

もう一つは、NTTや電器屋さんに依頼して自宅の設備に異常がないか確認してもらう、というものです。

我が家の場合、異常が起こるたびにプロバイダの調整をしてもらい、1年も経った頃から特にノートラブルで使えるようになりました。

 

こんな感じで悪戦苦闘している時に発見したのが『Wi-Fiレンタル』です。

1日単位で借りる事ができますが、大抵は1ヶ月単位で借りた方が安いです。

こいつの利点は、個人契約のネットと違って年単位の縛りや違約金がありません。

安いもので月額3000円台から、通常では4000円台で使うことができます。

これらの謳い文句の一つとして「無制限・使い放題」というのがある場合が大半ですが、まずもって「無制限な機種など存在しない」と思っておいて下さい。

約款をよく見ると、必ず抜け道はあります。

たとえば、ネットワーク提供会社の判断により制限をさせていただく場合があります、など。

機種にもよりますが、程度の良い契約で100ギガ~200ギガ程度の使用で制限がかかります。

詐欺じゃないかと怒る方もいらっしゃるかもしれませんし、それはそれで理にかなっていると思います。

ですが、いざスマホのプラン等を見ると、1ヶ月に数ギガしか使えないのに数千円とられることなんてザラです。

また、我が家のようにブロードバンドが使えない環境では救世主のような存在です。

色々とグレーゾーンなこともありますので、詳しくは割愛しますが、現在オススメの機種が304ZTです。

使いすぎると規制される可能性はありますが、一応無制限を謳っていて、最大14台まで接続可能です。(約款によってはもう少し少ない台数のものもあります)

 

我が家の場合、複数の部屋があるため304ZTの電波1つでは心もとなく、別の機器を使って有線化&再無線化をしています。

具体的には、NEC/Atermの中継機能を使って有線化して、それをLANケーブルでOrbiに繫いで再無線化しています。

Orbiに繋ぐ事によってSSIDが変わりますので、基本304ZTはAtermのみと繋がっている状態です。

二重ルータ状態を回避するためにOrbiはAPモードで設定しています。

Aterm単品での無線化は十分できますが、私のスキルでは中継機能を使って2.4Ghz帯のSSIDを304ZTのSSIDから変えることができず、結果として304ZTとAtermのどちらに繋がっているかわからない状態となっため上記のような設定にしました。

 

5Ghz帯はAterm独自のSSIDとパスワードで設定できるのですが、2.4Ghz帯はどうもうまくいきませんでした。

 

ということで、ほぼほぼ無線関係はOrbiで処理させていますが、それでも304ZTの14台の縛りは生きていると思いますので、ネットワーク対応機器が多い我が家ではこれ1台では不便です。(この設定で14台以上接続できない証拠にはなりませんが、やはり10台以上の機器を接続したあたりから、回線が不安定になったり、新規の接続が弾かれたりします)

家族のものも含めてパソコンが数台あり、LAN接続でプリンターに接続しているため、パソコンとプリンターは全て同一のネットワーク上にいなければなりません。

また、NAS(ネットワーク対応HDD)も使っており、NAS上のデータをパソコンやタブレットで使うため、パソコン・タブレットNASも同一ネットワーク上に置いておかなければなりません。

更にPS4に繋いだNASNEで録画をしており、タブレットなどでの視聴もしていますので、PS4・NASNEタブレットも同一ネットワーク上にある必要があります。

Chromecastやネットワーク対応TVでタブレットの動画を再生したりもしますので、Chromecast・TV・タブレットも同一ネットワークにおかなければなりません。

気づいていないだけで、実は家にある多くの機器がネットワークに対応しており、それを使うことで利便性がます場合が結構あります。

接続限界の14台なんてあっという間です。

そう考えると、自宅のネットワーク機器をフル活用しようという考え方のもとでは、1台のポケットWiFiでは足りない場合があります。

従って、我が家ではレンタル元を変えて2台のポケットWiFiを運用しています。

(モノによって回線を提供しているプロバイダいーの判断に優先して、貸し出しているレンタル業者の判断で速度制限を実施する場合もあるため、レンタル元は変えています)

 

普通に考えて「無駄なことをしているな」と言われそうですし、そう言われても反論のしよはありませんが、持っていると案外使えるものです。

例えば、出張や宿直で家を開けることが結構ありますが、その時に出先でも快適にインターネットを使うことができます。

また、この設定では「自宅固定のポケットWiFi」と「持ち運び用のポケットWiFi」という役割で使い分けており、スマホのネット容量が限界に近づいた時にはポケットWiFiで何とかなります。

 

ということで、我が家はポケットWiFi2台とADSLという3ラインでネットワークを運用しております。

月のネット代はおおよそ1万円程度で、決して安くはありませんが、光インターネットが使えない地域に住んでいることを考えれば、十分に元はとっていると思います。

逆に言えば、光インターネットが使える環境でこの様な契約をするのは無駄以外の何者でもありません。

ポケットWiFiには容量制限と接続台数制限がありますので、それぞれの制限を逸脱しない程度で高速インターネットを使いたい時に活用し、ADSLはそれらの回線に障害が発生した場合のフェイルセーフ、あるいはダウンロードに時間がかかっても良い大容量データのダウンロードに使い、ポケットWiFiの容量制限対策にするという意図があります。

 

今回紹介した環境は、普通のインターネット環境を有していらっしゃる方にとっては理解しがたいものだと思います。

ですが、自分がブロードバンド難民になった瞬間、どうしようかあれやこれや考えてひねり出した一つの解決策がコレです。

FTTHが進んでいる現代日本において、光ファイバーを使うことのできない、局地的にWiMAXなども利用できない地域はまだまだ存在します。

そういった地域で生活していらっしゃる方が諦めた生活をせずに済むよう、この記事がお役に立てば幸いです。