ミリ波テクノロジーでディスプレスをワイヤレス化する
数年前から、クラウドファンディングを中心に『ミリ波』を使ったワイヤレス送受信機を見かけるようになりました。
HDMIケーブルを使わなくても、ワイヤレスでデバイスとディスプレイを繋ぐことができる優れものです。
モノによってはタッチ操作が可能な場合もあります。
こんな夢のような製品が本当に存在するのでしょうか?
『ミリ波』製品への出資を考えていらっしゃる方の参考になるよう、記事を書いていきます。
1.デバイスの特徴
この手のデバイスには決まって次のような売り文句が掲げられています。
・ミリ波
・送信機は5m送信可能と25m送信可能の選択式
さらに、しばしば送信機にはLEDがついており、接続中は緑色のライトが点灯します。
2.送信機+受信機のタイプ
送信可能距離が伸びるほど送信機本体が大きくなります。
25mタイプしか試したことがありませんが、冷却のためのファンがついており、動作音もそこそこします。
給電のためのUSBポートがついており、私の持っている製品では、給電しないと正常に動作しません。
受信機も給電しないと使えませんので、機器間のHDMIケーブルは不要ですが、その分送信側も受信側も色々とくっつけないといけないので(送受信機+電源関係)、結構ごちゃごちゃします。
スリムなHDMIケーブルを使った方がすっきりするかもしれません。
3.送信機+受信機内蔵のモバイルディスプレイ
先ほどと同じく、送信可能距離が伸びるほど送信機本体が大きくなります。
25mタイプを試してみましたが、やはり動作音はかなり大きめ。
高周波のノイズが耳につきます。
今回試したモデルですごいのは、ワイヤレスなのにタッチパネルが使える、という点。
Windows PCとSamsung Dexで動作を試しましたが、両方ともタッチ操作が可能でした。
こちらはミリ波とは全く関係なく、パソコンやスマホとディスプレイをBluetoothで接続することにより、モバイルディスプレイのタッチパネルを入力デバイスとして使用する、というもののようです。
試してはいませんが、これならMacでもタッチパネルが使えるかもしれません。
バッテリー内蔵タイプなので、数時間使う程度なら電源ケーブルに繋ぐことなく使うことが出来て便利です。
TypeCによる映像・音声入力にも対応していますので、私はDex対応スマホとディスプレイを有線で繋いで使うことが多いです。
4.注意点
購入時には技適取得済みか確認することをおすすめします。
この手の製品はほぼ中国で生産されていますが、コロナの影響で工場が閉鎖されていたりする場合がありますので、納期は盛大に遅れるものと覚悟した方がよいです。
送信機と受信機の間に障害物があったら、正常に通信できないことが非常に多いです。
25m対応と謳っていても、途中に壁やふすまがあるだけで通信できなくなりますので、5mとどちらがいいのか迷いどころです。
5.結局買い?
私的には答えは「ノー」です。
HDMIケーブルで繋ぐ必要は無いとはいえ、送信機は割合大きいですし、電源も必要です。
受信機とディスプレイはHDMIで繋ぎますし、電源も必要です。
結局、本体周りがごちゃごちゃするのは避けられません。
また、クラウドファンディングですので、初期不良対応期間が過ぎた後に送受信機どちらかが故障したら、修理してもらえるかどうかも不透明です。
大手メーカーも参入していない分野ですので、まだまだ機が熟したとはいえない部分があります。
以上の観点から、ミリ波対応ワイヤレス製品の購入を検討される場合は、慎重になった方がよいと思います。
ただ、上記モバイルディスプレイや有線でもタッチ操作が可能なため、思った以上に便利に使えています。