コロナ禍でリモートワークをしていらっしゃる方も多いと思います。
そんな時に意外と便利なのがモバイルディスプレイ。
必要な時に必要な場所で使えるちょうど良い相棒です。
15.6インチまでのサイズならラインナップも様々ありますが、それより大きいサイズのものはなかなか見つかりません。
あったとしても、聞いたことのないメーカーのものばかり。
孤高の存在としてASUS社のROG STRIX XG17AHPEという選択肢もありますが、7万円を超える価格はなかなか手が出ません。
そこでたまたま見つけたのがWINTEN社の17.3インチディスプレイです。
WINTEN社製 WT-173SF-BK

もちろんMade in 某国製品ですが、日本の会社がサポートをしているため、ある程度信頼できるのではないかと買ってみました。
今回は17.3インチのモバイルディスプレイを探していらっしゃる方に、WINTEN社WT-173SF-BKがオススメできるかどうかのレビュー記事となります。
(1)セッティングに関する注意事項
このモデルに限らず、モバイルディスプレイは【比較的相性問題が発生しやすい製品である】、ということを念頭においておいた方がよいです。
パソコンやゲーム機など本体との相性もありますし、接続ケーブルやHDMIセレクタとの相性もあります。
問題が発生した際には純正ケーブルを使用し、それで何も起こらなければ自前で用意したケーブル等に問題がある、と判断したほうがよいでしょう。
我が家の従来の環境
UNIQ社製モバイルディスプレイ(15.6inch 給電=TypeC)→miniHDMIケーブル(社外品)→HDMI延長ケーブル(社外品)→HDMIセレクタ(ACケーブルで給電)→PC
※これだけ色々かませてきちんと映るので、UNIQ社製モニターは優秀だと思います。経験上、モバイルディスプレイはHDMIセレクタをかませると何らかの不具合が起こることが多いです。
↓前に使っていたGechic1503↓

↓前に使っていたプロメテウスモニター↓

WINTEN製品もminiHDMI&TypeC給電だったため、同じケーブルを使って繋ぎかえてみました。
結果、とりあえず映りましたが、映像が安定しません。(画面がチラついたり、映ったり消えたりします。給電不足で画面がチラつく時の現象に似ているな、と思いました。)
加えて、初期設定であまり映像が綺麗ではなく暗かったので(後述しますが、適切な設定で簡単に綺麗になります)、明るさを上げたら8を超えた時点で一瞬ブラックアプトしました。
ちなみに、明るさは1から10の間で設定できるようです。
原因を切り分けるため、以下の作業をしました。
・モニターの設定を初期値に戻す
・純正ケーブル&電源アダプタのみでつないでみる
これで問題が改善したため、問題は当方で用意したケーブル(と給電用のUSB給電器)か明るさ設定にあると判断しました。
他の方のレビューも拝見しましたが、一定以上の給電性能がないと動作が安定しないようです。
また、質の悪いTypeCケーブルを使うと給電が安定しないので、動作確認をしながら適切なケーブルや給電器を用意する必要があります。
純正ケーブルは短く、室内1m範囲で動かしながら使いたい私のニーズにあわなかったため、手持ちのいろいろなケーブルを試してみて相性のよいものを探しました。
画質に関して、初期設定のままではお世辞にも綺麗だとは思えず、かなり暗い印象を受けました。
明るさを9にしようとしたところ、前述の通り一瞬ブラックアウトしたため(安定動作の上限に達したため、フェイルセーフが働いたのかもしれません)、別のアプローチを考えました。
設定ボタンを押すと【色温度】が変えられますので、こちらを【sRGB】にしたところ、明るさを変更しなくても期待する明るさと発色になりました。
画質に満足できない場合は【カラー設定】を変更することをお勧めします。
【総評】
[1]安定性について
このモデルに限らず、モバイルディスプレイや給電器やケーブルとの相性問題が発生しやすい傾向にあります。
ですので、初期設定時に安定動作する組み合わせをきちんと見極める事が大切です。
現在使い始めて3週間目になりますが、初期セットアップ後はノートラブルで使えています。
UNIQやGechicのモニターでは何らかの問題が発生したHDMIセレクタでも安定動作しています。
[2]画質について
初期設定は変える必要がありますが、好みの設定を見つければ画質は比較的良い方かなと思います。
当方の環境では文字などがにじんで見えることもありません。
余談ですが、当方で試した機器は…
NUC(超小型PC) Windows10
デスクトップpC(サイコム社静音モデル) Windows10
Mac mini Late2012
ただ、画面が大きいせいか、視野角による色変化や輝度変化が多少見られます。
[3]音質
他の記事にも書いていますが、薄型ディスプレイの場合、スピーカーを設置できるスペースにも限りがありますので、音質に過度の期待はしない方がよいです。
音楽などを楽しんで聞くことのできるレベルではないと思いますが、それは他のメーカーの製品にも言える事ですので、特筆するほどのことではないかと思います。
ただ、スピーカーから音を出しても映像が乱れる事はありません。
(以前使っていた他社製品の場合、ボリュームによってスピーカーから音を出すと給電不足になり、画面が明滅したりすることがありました。)
[4]その他気を付けること
他機種にもよくあることですが、電源のオン・オフにはちょっと癖があります。
電源ボタンは【電源オン・オフの切り替え】と【入力ソース切り替え】の2つの機能を有しています。
短く押す→入力ソース切り替え
長く押す→3~5秒の長押しで電源オン・オフ
癖がある、というのは電源を付ける際のことです。
ボタンに触れている間は電源は入らず、指を離した瞬間に電源が入る仕様です。
ですので、ボタンを押している3~5秒は画面は真っ暗なままで、指を離した瞬間に点灯します。
これに気づくまで「動作が不安定なのか??」と思いましたが、そうではありませんでした。
[5]設置に何を使うか
付属のカバーがスタンド代わりになります。
ただ、細かな角度調整などができないため、私はタブレット用のスタンドを使っています。
一転注意するとすれば、タブレットスタンドの多くは10~12インチのものを想定しているので、17.3インチの本機に使う際は自己責任でお願いします。
お勧めはLomicall社製のもの。

しっかりとした作りで安定性も高いです。
サポート外だとは思いますが、17.3インチのモニターを載せても安定します。
ただ、頻繁に動かす場合、モニター本体が手前に倒れて液晶に傷がつくことがあるので対策が必要です。
私は両面テープ付きのマジックテープでスタンドとモニターを固定しています。
100均のものですが意外としっかり使えています。
ということで、どうしても17インチのモバイルモニターを選ばなければならない環境にいらっしゃる方にはオススメして良いモニターだと思います。
モバイルでなくて良ければ半額〜1/3程度の価格で同等のモニターは手に入りますので、ご検討ください。
#新生活が捗る逸品