Android端末もiOS端末もかなり熟成されてきましたが、Microsoft純正のOfficeソフトが使えないという点から、ノートパソコン的な使い方ができませんでした。
そこでこの度、仕事でも多少使えることを期待してWindowsタブレット”ARROWS TAB QH/55M”を買ってみました。
ネットでのレビューも多くはありませんので、購入を考えてらっしゃる方の参考になればと思い、簡単なレビューをしてみたいと思います。
○本体の質感など
正面から見れば、他のタブレットとの違いはほとんどないと思います。
安っぽい感じもしませんし、あえて言うなら縁がやや広いかな、という程度です。
裏面はプラスティック感丸出しですので高級感からはほど遠いですが、裏面をまじまじと見る機会などないですので、よほどのこだわりがなければ問題ないかと思います。
USBなどの端子類は右側に集約されています。
防水設計になっているので、各端子を使おうと思ったらいちいちふたを開けなければならず、ちょっと不便かなと思います。
後述しますが、私の環境ではBlutoothマウスとキーボードで干渉が発生したため、場合によっては有線マウスを使ったり、レシーバー付きのマウスを使うこともありますが、ふたがぶらーんとつるされた状態で使うのは多少不格好な感じがします。
また、防水といっても、端子の差し込み口にパッキンがつけてあるだけなので、耐久性はやや心配なところです。
液晶画面はさすがにきれいです。
手持ちのノートパソコン(東芝QOSMIO T750)に比べても、その差ははっきりわかります。
○オフィスソフトについて
QH55/MにはMicrosoft Officeが入っています。
ソフトウェア一覧からOfficeを選び、本体に同梱されているOfficeアクティベーション用パスワードを入力すれば、インストールされます。
タッチ操作に最適化されているため、使い勝手も大変よいです。
エクセルを使いながらピンチイン・ピンチアウトが出来るのはよいですね。
マウスとキーボードを用意すれば、通常のノートパソコンと遜色なく使うことが出来ます。
また、仕事柄一太郎をよく使うので、バージョンアップ版の一太郎玄を購入し、インストールしてみましたが、こちらはタッチ操作に難ありでした。
メニュー画面にいくらタッチしても反応しませんし、場合によってはエラーが出るようです。
こちらはArrowsTabのせいではなく、Windows8→8.1へアップした際にタッチ関係の仕様が変更になったらしく、それに一太郎側が対応できていないようです。
現行で手に入れることの出来る最新の一太郎は玄で、今後出るパソコンにはWindows8.1が搭載されるわけですので、Justsystemには何とか対応してもらいたいところです。
○周辺機器について
ArrowsTabはタブレットとはいえ、ほぼノートパソコンと同じことが出来るため、マウスとキーボードがあればさらに便利に使えると思います。
タブレットと併せてマイクロソフトの”Microsoft Sculpt Comfort Mouse”とLogicoolの”Illuminated Keyboard K810”を購入しましたが、こちらは私の環境ではWifiとあわせて干渉したらしく、ポインタが飛びまくったりキーボード入力が不安定になることがありました。
ダメもとでELECOMのBluetoothマウスEX-Gシリーズを買ってみましたが、こちらは今のところ順調に動いています。
ただし、NASとタブレットの間でデータのコピーを行うなど、ネットワークに過負荷がかかったりする時には、マウスポインタの動きが緩慢になったり、飛んだりするので、そこのところは注意が必要です。
実験がてら、バックグラウンドでNAS上の動画を再生しながらこの記事を書いていますが、マウスポインタの飛びやキーボード入力が不安定になるということは発生していません。
○データ転送速度
記憶装置にはSSDではなくeMMCが使われています。
データコピーなどはさほど早くはありませんし、手持ちのパソコンからNASへのデータ転送速度がだいたい20M程度出る当方の環境で、同様のことをしたら2M程度でした。
さすがに本家本元のパソコンの完全な代替になるとは思っていませんので、この点はさほど気にはしていません。
○充電
この機種は10.1型タブレットで数少ない、モバイルバッテリーからの充電に対応しています。
充電速度は遅いですが、出来るだけ御の字です。
(私の機体だと、シャットダウンしてUSB給電を行った場合、1時間で約5%の速度でした。)
今までノートパソコンを持ち歩いて仕事をしていて、何度バッテリー切れに泣いたことか・・・
8型タブレットでモバイルバッテリーが使える機種は多くなっていますが、
Windows8.1をフルに搭載して、普通のパソコンとほぼ同じことが出来る当機でモバイルバッテリーが使えるのはかなりのアドバンテージです。
○最後に
今までタブレットといえば"Android端末"や”iPad”でしたが、ハードウェアやソフトウェアの進歩からWindowsタブレットも選択肢に入る時代になったように思います。
Windows8に関していえば、従来のWindowsが基幹にあって、その上にタブレット用のカバー(メトロUI)をかぶせたような感じで、正直従来のWindowsよりも使い勝手が悪くなった感は否めませんが、従来のWindows資産をタブレットで使うことが出来るメリットは何者にも代えがたいものがあります。
メールやインターネット、ゲームなどのアプリを使いたいだけならばAndroid端末やiPadがよいと思いますが、従来のWindows資産やOfficeソフトを使いたいのであれば、Windowsタブレットの用がよいと思います。
QH55/Mに関していえば、CPUに新型AtomことBaytrailを搭載しているため、実際の使用に関して不便さを感じることはほぼないと思います。
ただし、iCoreシリーズと比べれば処理能力は当然劣りますので、エンコードや3Dゲームなど処理能力を要求されるようなソフトを扱うのには不向きで、そういった用途であればSurface Pro2 256G以上か通常のパソコンをおすすめします。
処理能力と引き替えに、BayTrailは「そこそこの処理能力と『省電力』」が大きな武器です。
オフィスをそこそこ大きい画面で使いたいが、Surfaceは重くて厚いからなぁ・・・という方にはおすすめなタブレットです。
ただし、どの店舗も在庫はあまり抱えてないようで、充電用のクレードルも品薄or品切れのようです。
いい製品なのにもったいないですね。
本体はヨドバシドットコムに若干在庫があるようですので、よろしければどうぞ。
p.s.
12月31日現在、在庫は無くなっているようです。
ここまで売れる事を読んでいなかったのか、富士通もクレードル・本体と、もう少し数量を用意してからリリースしたら良かったと思うのですが。。。
クリスマス商戦を完全に逃してしまいましたね(--;